すっかり『これは経費で落ちません!』にハマり、ドラマだけでなく原作・コミカライズと読みつくしてしまった人間です。
こんなにまで何かの作品にハマったのはまじで数年ぶりな気がする…
というわけで今回は重岡くんが好きな自分、は置いておいて、いちアラサー独身社会人女性として純粋にドラマのお話をば。
普段の感想も同じようなものですけど(笑)
経理部の森若さんはイーブン主義。
一方ともう一方を天秤にかけ、バランスが取れていると判断できればそれで良い。
ドラマは原作と比べ、このイーブン主義な森若さんが気づいた点をほかの経理部を巻き込んで落とし所をつけていく形が多いのですが、原作でちょこちょこモヤっとしていた自分にとってはドラマの落とし方が好みで良いです。
やっぱり不正は不正だし。
それについて、少なくとも経理部としてのスタンスがハッキリしているのはドラマ版の好きなところ。
それから、森若さんが自分の価値観で、冷静に物事を見ているのがわかる描写が多くて好きです。
第1話でいうと、そこに私情があろうとなかろうと、仕事を円滑に進めるための接待でありそれ相応の範疇であれば「交際接待費」として処理して問題ない、とか。
第4話では、皆が「意識高い系」と揶揄し、視聴者までもが「危ない〜」なんて初めから思ってしまうセミナーも(まあそうなんだけど)、森若さんは実際に聞いた上で判断しているし。
結果的には不透明な受講料内訳を理由に辞退しているけど、仕事上でも追求するのもあくまで決算報告の不備であり、平松さんの考えを否定するわけでもなく追うのは数字のみ。
こういう題材をドラマなどで扱う時、こういう視点って忘れられがちなので…向上心自体否定される必要はないし、セミナーと名のつくものが全て悪というわけでは決してないもんな。
お茶汲みだって、女性に強いるものではない!と思いつつ、確かにやりたければやればいいし。
問題は女性がやることとかよりも、それがほかの女性にもやらなきゃいけない、みたいな押し付けになっちゃうことと、残業までしてやるものなのかっていうところよね。
もちろん森若さんのことなので、胸中は様々な思いこそあれ、少なくとも仕事上の問題では人間の感情や感覚に流されることなくあくまで「経理としての仕事をする」に帰着しているのがとてもいいなと思います。
最終的には、問題の本質のみを追求している形。
だからまあ、結果うさぎは追っちゃってるけど(笑)
その人のパーソナリティではなくあくまで数字を追っているドラマ版森若さんが、わたしは好きですね。
あー森若さんのように働きたい。
そして、森若さんの信念はイーブンであって決してフェアではない。
そこを、中盤に麻吹さんとマリナを持ってくることでうまく見せていたなと。
「みんなは経理部に伝票を持ってくるのに、なぜマリナだけこちらから取りに行かないといけないのか」
原作にもあるこの設定一つで、イーブンとフェアネスの違いがわかるのも綺麗でした。
マリナは社長のお気に入りだ、という新発田部長のに対する「その発言は有本さんに失礼です」という返しもフェアネスの骨頂。
そして、ジョブホッパーも決して否定しない。
短期間で職を転々としている麻吹さんは、きっと新たな目で天・天を見ることができるし、人の意見に耳を傾けちゃんと考えてみることができる人。
それを森若さんは理解していて、個人的には苦手なところがありそうだけど、仕事上ではきちんと彼女の強みを理解して歩み寄るところがとても良かったです。
お仕事ドラマでよくあるのが、主人公の目線がハッキリしていて、時に人とぶつかりながら、変化しながら問題を解決していく…という展開。
経費〜も大枠はそうなんですけど、今までのお仕事ドラマと少し違うな、と思うのは、こういう"それぞれの価値観が歩み寄る瞬間"なんですよね。
社会人あるあるだけど、まじでこの世には色んな人がいて色んな考え方・価値観があるんだなって思うことが非常に多い。
今の時代、合わなければ辞めればいい、無理に合わせる必要がない、という風潮があってもちろんそれもわかるし間違っていないです。
経費〜では、麻吹さんのことで同じく否定はしていませんし、森若さんは豊富な経験の一つとして肯定的に捉えています。
ただ一方で、全く同じ感覚なんてありえないので、双方が歩み寄って進めていく。
現実の職場もこれに近いと思いますが、これがよくわかる形になっているなと。
私情を、個人的な考え方を決して否定せず押し付けもしない。
最後の最後は森若さんたちがあくまで「経理の仕事をするのみ」。
これ〜〜!!
これに出会いたかったんだよ〜!!
ってめっちゃ思いましたよ。
まじで待ってた。
もちろんこの要素は、経理という仕事の個性のひとつでもあるわけで、実際は個人の考えや思考がものをいう仕事が多いわけですけど。
それはそれとして、この経理部を通してみることで、自分もちょっと余裕を持って働けそうというか、過度に他者に期待するわけでも初めから失望するわけでもなく、落ち着いて接する余地があるんじゃないかな〜って思ってます。
もう最近まさに、この価値観の違いというか考え方の違いで仕事で心が乱れていたので…
反省、反省です。
心に森若さんを宿そう…
あと、どの登場人物にも感情移入できて楽しい。
わたし個人で言えば、仕事や私生活に対するスタンスは基本的に森若さんと同じだけど、その実態としてはまゆちゃん寄り。
きりかみたいに噂好きの人もいるなあと思うし、吉村部長と新発田部長(までとはいかなくとも)みたいにあからさまに張り合う人たちもみたことあるし、とにかく明るい太陽くんタイプもいるし、麻吹さんみたいにとっつきにくいけど言ってることは間違ってない人もいる…。
わかる〜と思えるし、なるほどと思える。
それぞれの思いがわかって楽しい。
あと、よくタグ追ってると「恋愛要素いらないのに…」って人を見かける。
これはまあ、なんせ原作が恋愛ありありのありだし許してよ〜と思うんですけど(誰)
個人的には大好きです、恋愛パート。
だって、仕事をする人にはひとりひとりそれぞれにプライベートもあるわけじゃないですか。
失敗しない、愚痴を言わなくても生きていける、そんな人もいるかも知らないけど。
文句を言わずテキパキ仕事ができる人が、完全無欠とは限らない。弱さだって、葛藤だってある。
女ゆえの、男ゆえの苦しみだってあるし。
それが、仕事に大きくはなくても小さなところで影響が出ることがあるかもしれない。
変なオッサン上司をたたきのめす!!
な勧善懲悪ドラマが見たかったなら、このドラマは向かないと思う。
なぜなら森若さんは裁判をするわけでも誰かを罰するわけでもないから。
仕事で何かトラブルが起きた時、いつからか森若さんならどうするかな?と考えるようになりました。
ところで、裏の凪のお暇も面白いけど(といっても配信で途中までしかまだ見れてはいないのだけど)、凪と比べて経費をアゲたいが故に凪のこと汚い言葉で落としてる人とか見るとなんだかなあ…と思ってしまう。
つぶやくのは自由だし、私も経費の方が断然好きだけど、そういうアゲ方は回り回ってサゲることになるのでやめていただきたい。。
凪も経費も、ドラマの中で現代のディスコミュニケーションをうまく表現していると思います。
恋愛が主軸か仕事が主軸の違いで、一方的ではない、多面的な物事の見方っていう点では通ずるところがあると思うので。
なんかそういうドラマっていいですよね。
視聴者の感想にさえも一石投じている気がする。
てなわけで、明日は経費7話。
楽しみ。
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